萌恋!
「おっじゃましま~す♪」
青沢の家に着き、勝手に開けようとしたドアは虚しくも開かず、後ろへ倒れそうになった。
「なにやってんだよ…」
一瞬だけ怯んだ私を呆れながら見て、家の鍵を使って開けた。
「ほら、入れ。」
「おっじゃましま~す♪」
次こそ青沢の家に入り、子供のように周りをキョロキョロした。
「先にリビング行ってて。前に来たから覚えてるだろ。」
青沢はそのまま階段を上っていき、私はリビングへと迷うことなく行った。
近くにあるソファに座りこむと、青沢の家の匂いを嗅いだり、どんな物があるか隈なく見ていた。
青沢の匂いだぁ~
私……青沢の家にいるんだよ!?
幸せすぎて……世界の人に謝りたくなっちゃうよ♪
「なにやってんだよ…。」
いつの間にかリビングに来ていた青沢が、顔を引きつらせながら私を見ている。
「青沢ん家の匂いを嗅いでたの♪」
「変態か!」
青沢がそう言いながら、いつの間にか持ってきていたゲームをテレビの前に置いた。
「あ!ゲーム!」
毎日のように触っていたゲーム機に近づく。
そういえば、この頃ゲームやってなかったなぁ……
ゲームをやることが生きがいで、柊様に会うことが自分の生きがいだったのに
その生きがいと長く触れ合わないことは、今までに一度もなかった。