王子様じゃナイト!
連れ出されたのは屋上。空には春のうららかな青空が広がっている。
「ねぇ、どうしたの?」
「……ヘンに探索されたくなかったから、それだけだ」
むすっと頬を膨らませる彼に、わたしはつい吹き出した。
彼は案の定、眉をひそめてわたしを非難した。
「んだよ、なに笑ってんだ?」
「ふふっ…だって全然変わってないんだもん…」
彼は昔からいつも不機嫌になった時、むすっと頬を膨らませる。
見た目こそ変わったものの、中身は変わっていないらしい。
「……コトもそういうコト変わってねぇよな。チビなところとか、胸小せぇのとか」
「んなっ?!」
そう言って彼は鼻で笑った。
……こんな意地悪な性格だったっけ、りょーくんって……
前言撤回。りょーくんは少し変わった。
「あぁ…あの頃の可愛いりょーくんはどこへ…」
「うるせぇ!あとりょーくんりょーくん言うな!恥ずかしいんだよ!」
「え、わたしのことはコトって言うくせに?」
「うっ……」
盲点をついてみれば、彼は顔を赤くしてまた頬を膨らませた。
しばらく俯いていたかと思いきや、何かを決心したかのようにばっと顔を上げた。
「…じゃあ!コトのことは琴子っつーから、……凌也って呼べよ?」
生まれて初めて幼馴染に「琴子」と呼ばれ、一気に顔が熱くなった。
こ、これは恥ずかしいとか嬉しいとかじゃなくて、その、…た、ただ慣れないだけで!!
「……いい、けど……じゃあ、凌也?」
わたしも彼の名前を呼んだ。
すると呼んだほうだけでなく、呼ばれたほうも顔を赤くさせた。
「い、今更だよな……はは…」
「そ、そうだよね……あは…」
乾いた笑いが屋上に響き、同時にチャイムも響いた。……チャイム?
「ってえぇぇぇ!午後の授業始まっちゃった!?」
「げ、次って理科の小林じゃねぇか……やべぇ、急ぐぞ琴子!」
「ちょっ、待ってよ凌也!」
凌也はわたしを置いて走り出す。わたしもその背を慌てて追いかけた。
…最終的にわたし達は小林のお説教を喰らう羽目になったが……
「ねぇ、どうしたの?」
「……ヘンに探索されたくなかったから、それだけだ」
むすっと頬を膨らませる彼に、わたしはつい吹き出した。
彼は案の定、眉をひそめてわたしを非難した。
「んだよ、なに笑ってんだ?」
「ふふっ…だって全然変わってないんだもん…」
彼は昔からいつも不機嫌になった時、むすっと頬を膨らませる。
見た目こそ変わったものの、中身は変わっていないらしい。
「……コトもそういうコト変わってねぇよな。チビなところとか、胸小せぇのとか」
「んなっ?!」
そう言って彼は鼻で笑った。
……こんな意地悪な性格だったっけ、りょーくんって……
前言撤回。りょーくんは少し変わった。
「あぁ…あの頃の可愛いりょーくんはどこへ…」
「うるせぇ!あとりょーくんりょーくん言うな!恥ずかしいんだよ!」
「え、わたしのことはコトって言うくせに?」
「うっ……」
盲点をついてみれば、彼は顔を赤くしてまた頬を膨らませた。
しばらく俯いていたかと思いきや、何かを決心したかのようにばっと顔を上げた。
「…じゃあ!コトのことは琴子っつーから、……凌也って呼べよ?」
生まれて初めて幼馴染に「琴子」と呼ばれ、一気に顔が熱くなった。
こ、これは恥ずかしいとか嬉しいとかじゃなくて、その、…た、ただ慣れないだけで!!
「……いい、けど……じゃあ、凌也?」
わたしも彼の名前を呼んだ。
すると呼んだほうだけでなく、呼ばれたほうも顔を赤くさせた。
「い、今更だよな……はは…」
「そ、そうだよね……あは…」
乾いた笑いが屋上に響き、同時にチャイムも響いた。……チャイム?
「ってえぇぇぇ!午後の授業始まっちゃった!?」
「げ、次って理科の小林じゃねぇか……やべぇ、急ぐぞ琴子!」
「ちょっ、待ってよ凌也!」
凌也はわたしを置いて走り出す。わたしもその背を慌てて追いかけた。
…最終的にわたし達は小林のお説教を喰らう羽目になったが……