王子様じゃナイト!
「なっ?!……あ、浅木くん?!」

バタン、とドアが開いた先には、なんと凌也がいた。


凌也はこちらに歩いてくるとわたしを抱きしめ、矢場さんをぎろりと睨んだ。

「あ、浅木くん…真綾……」

「オイ、誰が隣にふさわしいだって?自分だとか抜かしやがって反吐が出るぜ。
俺が隣を許せるのは…」

わたしを抱きしめる腕に力が入る。ふわり、とおひさまのにおいがした。




「コイツだけなんだよ」

「え……?」

今、なんて言った……?


矢場さんは恨めしそうにわたしを睨むと、何も言わず走り去っていった。
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