俺様男に心乱れて
「素敵な奥様だったんでしょうね?」

「うん、私には過ぎた女性だったよ」


私は、迷いながらも出した結論を、マスターに告げる決意をした。


「美緒ちゃんとお風呂でいっぱいお喋りして、3人で笑いながらご飯をいただいて、とても楽しかったです」

「そう? それは良かった」

「私の本当の夢は、暖かい家庭を持つ事なんじゃないかって、今夜気付いたんです」

「ほお…」

「それに…、美緒ちゃんを見てると、不憫で…」

美緒ちゃんの健気さを思ったら、涙が溢れ出した。

「…ごめんなさい」

「いや、いいよ。ありがとう」

「だから…美緒ちゃんの願いに応えてあげたいと思いました。あ、それだけじゃなく、私の幸せのためにも」

「小枝ちゃん?」

「私を必要だと言ってくれたのは、マスターが初めてです。私は愛されたいんです。だから…」

私はハァーとひとつ息を吐き、次の言葉を告げた。

「私をマスターの、お嫁さんにしてください」
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