俺様男に心乱れて
うそ……

亮介さんの突然の告白(?)に、私は言葉を失った。

ひょっとして聞き違い?
あ、夢かも?

そういう時って、ほっぺをつねるんだっけ?

実際にほっぺを指先でキュッと摘まんでひねってみた。痛かった。という事は、夢じゃないって事?

「おまえ、何やってんの?」

「だって、これは夢なのかなあと思って…」

「夢じゃねえよ。おまえはぐっすり眠ったんだろ? 俺は眠れなかったっていうのに…」

「私だってあまり眠ってないわよ。あなたの事考えてて…」

「そうか」

本当は、昼寝のし過ぎもあるんだけどね。それは言わない。

「ねえ、もう一回言ってくれない? 聞き間違いかもしれないから」

「イヤだね」

亮介さんはプイッと横を向いてしまった。

「じゃあ聞くけど、私の事、本当に愛してくれてるの?」

「ああ。……愛してる」
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