俺様男に心乱れて
私は布団で胸を押さえながら体を起こし、バッグから頭痛薬を取り出した。

男はベッドに腰掛け、タオルで頭をゴシゴシ拭いている。

「う…寒い」

男がブルッと震えた。

「エアコン着ければ?」

今は初冬。朝晩の冷え込みが日に日に厳しくなってきている。

「いや、いいよ。頭痛が酷くなる」

「あなたも頭が痛いの?」

「いいや」

じゃあ、私のため?

「だったら、早く服を着なさいよ」

「そうだな」

男は脱ぎ捨ててあった真っ白なワイシャツを拾うと、袖に腕を通し始めた。

「肌着は着ないの? お腹冷えるんじゃない?」

「ん? 脱いだやつか? それはさすがに気持ち悪いだろう…」

「家にあるわよ。男物の肌着が…」
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