俺様男に心乱れて
亮介さんと私は、会場中の視線を背中に感じながら、高島家を後にした。


やっと私にも理解が出来た。

パーティは表向きは高島さんの娘さんの帰国祝いという名目だけど、実際はその娘さんと亮介さんの婚約披露パーティだったんだ。

おそらく亮介さんがなかなか承諾しなかったから、そうしたのだろう。

そして諦めないお母様を出し抜くために、亮介さんが仕組んだのが、恋人同伴での出席。その恋人役が私ってわけだ。

『役者は揃った』も、私が『女優志望でちょうどよかった』も、やっと意味が解った。

前に亮介さんが言った『面白い事』って、これだったんだ…

何が面白いのよ?

みんなに迷惑掛けて、高島さんの娘さんと…私を傷つけただけじゃない!?
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