それでも愛しい人よ〜慎物語〜
走ってやっと辿り着いた美沙の家
俺は急いで扉を開けた。
「――美沙!!大丈夫か!?」
「――いやぁぁっ!!父さん!!母さん!!」
奥のほうから美沙の声が聞こえた
俺は急いで中に入った。
「――美沙!!」
俺の声に気付いたのか、美沙はこちらに顔を向けた。
「――慎様…」
涙声で俺の名前を呟く彼女。
俺は素早く彼女の元へ駆け寄った
「美沙、ご両親は…」
「…買い物に行っている最中に殺し屋に殺られたの…。さっき運ばれてきて、もう…息もしていなくて…」
美沙は泣き崩れた。
「美沙……」
俺はそんな彼女をただ、優しく抱き締めてやるしか出来なかった。
なんで…こんなことに……!!!