さよならを君に贈る





俺も戻るか………



そう思い歩こうとした時



ガッ



後ろからコンクリートを擦る音



後ろを振り向くとそこには………



「あ………」


焦った顔をしてあたふたしている女がいた


見ると制服が違う他校の奴


あんな制服見たことねぇ…


どこの学校だ?



「あの……ごめん」


「何が?」


「悪気はなかったんだけど…みちゃって…さ」



………見てたのか


「別にいいよ。それよりあんた他校の学生だろ?何してんだよこんなところで」


「ちょっとこの学校に用があったの。
職員室ってあっちであってるよね?」


他校の女子は指をピッと指す


「あってる。
迷子になんなよ。じゃあな」


俺は去ろうとした


「あっ待って」



………………


「…まだ何か?」


「振るならなんでキスなんかしたの?」




………なんだこの女


人の事情にいちいち首突っ込みやがって……


「…知るかよ。
自分で考えろ」



俺はそれだけ言って校舎に走っていった


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