さよならを君に贈る
更衣室に誰か入ってくる
「………雷か」
雷は片手にパンを持ったまま俺たちに近づく
「ごめんね蓮。
売店行ってきたんだけど…金少なくて蓮の分まで買えなかった」
「別にいらねーよ。」
「雷~!!聞いてくれよ~!蓮が反抗期なんだよ~!!!」
「多一、蓮の反抗期は多一に対してだけだからね?」
雷は爽やかな笑顔でサラリと言う
「雷…それって喜んでいいの?」
「多一が嬉しいならいいんじゃない?」
「んじゃいい意味でとろっと!いくぞ二人共!」
多一は嬉しそうに更衣室を出ていった
「人間…あそこまでポジティブに生きられるもんなんだな…」
「本人の努力次第じゃない?まぁ…多一レベルまでいくと逆に哀れに思えてくるけどね」
そう言って多一の後をついていきながら、俺達は運動場に向かっていった