雨音
「・・・いいけど。用事とかあった?」
俺が聞くと女の子は思い出したかのようにいった。
「あぁ!あたし故知野高校ってとこにこれから通うんだけど道がわかんなくて・・・。教えてくれるかな?」
大きな目を見開いて俺に聞いた。
「・・・故知野って女子部と男子部にわかれてるとこか?」
俺が聞くと女の子はうん!と微笑んだ。
「俺もそこの高校だから後ろ乗れば?」
俺は雨の中後ろの座るトコを指した。
片手は俺の腰にもう片方の手には傘と女の子は後ろに座った。
傘は気を使ってくれたのかやや俺の方に近めだった。
「ありがとね・・わざわざごめん。」
女の子はしょぼーんとなりながら俺に言った。
「いいよ。気にすんな!ここで会えたのも何かの縁だろ★」
そういい俺は女の子に微笑んだ。
すると女の子はみるみる頬が赤くなっていってかわいかった。
「・・・名前・・・何て言うの?」
「・・・俺は紅也(こうや)。お前は?」
「・・あたしは美華(みはな)。よろしくね!」
「あぁ。」
俺らはぷち自己紹介を終え、丁度故知野に着いた。
女子部と男子部で校舎は別れている。
校長や先生がいうには男女一緒にすると恋が芽生えて勉強にならないとか・・。
でも俺ら男子は離れてた方が恋が燃えるとか言って盛り上がってるとは先生達は知らないであろう。
「女子部はあっちだから。そっからは自分でなんとかしろよ?w」
「うん!ありがとね!」
俺らは駐輪場で別れた。
美華がちゃんと昇降口まで行ったか見送ってから俺は男子部へ急いだ。
「やべー!雨の日はHR早かったんやったぁー!!」
俺は廊下をダッシュで走り抜けた。
途中雨が振り込んでいて滑りそうになったがギリセーフだった。