雨音

俺は1人教室に残り掃除をしていた。


がらがら・・・。

きっとかっちゃんだろうと振り向いた。

「紅也・・・?」

「美華!?」

教室へ入って来たのは美華だった。

「おま・・ここに来てるのバレたらかっちゃんが・・・」

「あたし・・・1人で帰れないってことに気づいたの・・・」

「・・・は?ようするに俺はお前を帰りも送ってかなきゃなんないわけ?」

「うん・・・」

俺はその場にがくんとくずれ落ちた。

美華は俺の顔をのぞきこんだ。

「・・キスしてよ。そしたら送ってやる。」

俺は美華の顔を見ていった。

するとみるみる赤くなりりんごの様になった。

「嘘。からかっただけ。終わったから帰ろっか。」

そういい俺は美華の前を歩いた。

美華はさっきから黙ってばっかだった。

からかった俺が悪かったか?

でもそれぐらいさせてもらわないとな。

雨の中送るんだから。

「外で待ってろ。ばれたらしゃれになんない。かっちゃんに報告してから行くからさ。」

「うん・・。」

そう言って俺は職務室へと急いだ。



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