私をさらった強引彼氏。
息を切らしてそういうのは
まぎれもなく
「奈生...」
「ごめんね、ぉそくなっちゃって」
いままでの緊張感がほどけて、
涙腺が緩んだ。
それを唇を噛んで、我慢する。
「保健室でこそこそ...なにしてたんだよッ」
ガッ――――――――
鋭い効果音に加えて、
私の顔の真横にはケバイ人の拳が突き刺さった。
なに...この状況......。
さっきまで緩んでいた涙腺も
また緊張を覚えた。