私をさらった強引彼氏。
その『女の声』って...
私の事だよね。
でも...
「それだけで...こんなことするの?」
「それ...だけ?」
私の質問に
リーダー格の人が目を尖らせた。
「ふざけんな...!
うちらがいつから優汰くんを思ってたか...。
『それだけ』ですませんじゃねーよ!!!」
廊下全体に響き渡った、
その人の声と同時に
私の顔面に向かって拳が飛んできた。
どうして、
そんなに感情的になるのか。
彼女の言う『思う』の意味が何か。
私にはわからない。
「真昼っ!」
奈生の甲高い悲鳴が鳴り響いた。