私をさらった強引彼氏。
パシッ――――――――
あれ...。
まだ殴られて...ない。
「君たち、なにしてんの」
「ゆ、優汰く、ん...?!」
嘘...。
私は知らぬ間に閉じていた目を
そっと開けた。
彼女の拳は、
橘くんの掌に包まれていた。
「説明、してくれる?」
そういう橘くんを前に、
彼女たちは私から離れて
橘くんと話をした。
何を話してるのかとか、
放心状態の私には
気になるすべもなかった。