おちこぼれサンタクロース
柔らかく笑うこの人はおばあちゃん。
おばあちゃんもおじいちゃんほどじゃないけど有名人。
美人で気立ても良くてモテモテだったんだって。
おじいちゃんとおばあちゃんは見てるこっちが羨ましくなるくらいの仲良し。
お父さんとお母さんも負けてないんだけどね。
「昔はトナカイに乗って空を飛んでたのにねぇ」
「そうそう、夜になっても帰って来ないときもあったなぁ」
「……そんなこともありましたね」
7歳くらいのときだっけ…?
遊んでたら飛んじゃって、帰ってこれなくなっちゃったんだよね。
あのときは確か寝ちゃって…一緒に行ったトリミンがお父さんたちを呼んできてくれたんだっけ。
はは、あのときは凍死するかと思った。
「あ、お母さんパンまだある?」
「あるあるー。
ちゃんとソリを扱えるようになったんでしょ?
お祝いよー」
「お祝いがパンってしょぼー」
「ルーシア!」
「ごめんなさい」
お父さんに怒られました。
だってお祝いがパン食べ放題ってなんかしょぼいじゃん。
お母さんのパン美味しいけどね!
焼きたてで外カリカリで中ふわふわだしー。
癒されます。
「パンちょーだい!」
「ふふ、はい」