おちこぼれサンタクロース
落ちこぼれサンタのお話
――サンタの国に
何をやってもだめだめな
落ちこぼれサンタがいました。
けれども落ちこぼれサンタは
一流のサンタを目指していました。
そのことを言うと
みんな落ちこぼれサンタを笑います。
「お前には無理だ」
そう言って笑うのです。
けれども落ちこぼれサンタは諦めませんでした。
子供たちに夢を届ける
一流のサンタになりたかったのです。
そうしてやってきた試験の日。
この試験に受かってやっと
サンタとして働けるようになるのです。
落ちこぼれサンタは
トナカイが引くソリに乗って
子供たちのもとに行きました。
ある子供は穏やかな顔で寝ていて
ある子供はクッキーとミルクを置いていてくれました。
そしてある子供は大きな靴下を置き
ある子供は長い手紙をくれました。
そして落ちこぼれサンタが
5人目の子供のもとに降り立ったとき
なんと子供が起きてしまったのです!
サンタは誰にも見つかってはいけませんから
落ちこぼれサンタはとても困ってしまいました。
やっと子供が寝てくれたとき
時間は迫っていました。