おちこぼれサンタクロース
おじいちゃんもおばあちゃんも
お父さんもお母さんも
みんな立派なサンタなのにさ。
どうしてあたしはこんなに落ちこぼれなんだろう?
「ロベルトとの相性は悪くないのにさ。
信頼が足りてないのかもね」
「信頼…ですか」
そんな風に言われると悲しい。
仲が良いってだけじゃだめなのかな。
「ロベルト…」
あたしを見つめるロベルトの目は、どこか悲しそうだった。
あたしがロベルトのこと、信じきれてないんだよね。
「うっし、もう1回挑戦だあああ!」
「その意気その意気」
それからボロボロになるまで練習して、なんとかゆっくりなら飛べるようになった。
平均速度まで行くと高く飛べないんだよね。
ならゆっくりでも高い方がいいって言われて、ゆっくり。
低いと人に見つかっちゃうからね。
ソリを返して暗くなった道をあたしとエルーとそれぞれの相棒が歩く。
この国は暗くなっても雪が光って見えるから明るいんだ。
「なんとか飛べるようになったね」
「うん、エルーもロベルトもローズもありがとう!」
これでテストもなんとかなりそうです!