おちこぼれサンタクロース



おじいちゃんもおばあちゃんも

お父さんもお母さんも

みんな立派なサンタなのにさ。

どうしてあたしはこんなに落ちこぼれなんだろう?


「ロベルトとの相性は悪くないのにさ。
 信頼が足りてないのかもね」

「信頼…ですか」


そんな風に言われると悲しい。

仲が良いってだけじゃだめなのかな。


「ロベルト…」


あたしを見つめるロベルトの目は、どこか悲しそうだった。

あたしがロベルトのこと、信じきれてないんだよね。


「うっし、もう1回挑戦だあああ!」

「その意気その意気」










それからボロボロになるまで練習して、なんとかゆっくりなら飛べるようになった。

平均速度まで行くと高く飛べないんだよね。

ならゆっくりでも高い方がいいって言われて、ゆっくり。

低いと人に見つかっちゃうからね。

ソリを返して暗くなった道をあたしとエルーとそれぞれの相棒が歩く。

この国は暗くなっても雪が光って見えるから明るいんだ。


「なんとか飛べるようになったね」

「うん、エルーもロベルトもローズもありがとう!」


これでテストもなんとかなりそうです!



< 5 / 24 >

この作品をシェア

pagetop