おちこぼれサンタクロース
でもそれはあたしも同じだよ。
何もかもだめだめで、ロベルトに迷惑ばっかり掛けてきた。
そんなあたしをロベルトはいつでも励ましてくれた。
「ロベルト!」
「……?」
「ロベルトのこと、大好きだよ!
いつも励ましてくれてありがとう!」
微笑んでくれた相棒に涙が出そうになった。
やば…涙凍る!
「ロベルト…あたしに力、貸してくれる?」
すり寄ってくれたロベルト。
ああーもう、泣きそうっ。
トナカイ小屋から出してソリと繋げた。
周囲の確認をしてロベルトの頭を撫でる。
「ロベルト…乗っていい?」
肯定するように細められた目。
ソリに乗り込んで手綱を掴んだ。
大丈夫…大丈夫…。
「ロベルト、行こっか」
ゆっくりと手綱を引いて、空を駆け出した。
「ほら…言った通りだっただろう?」
「うん!あんなに高く飛んだの久しぶりっ」
無事に平均速度で高く飛べるようになった。
やっぱりおじいちゃんはすごいなぁ…。
尊敬しちゃうよ。
「ルーシアとロベルトのペースでね、ゆっくりと一流のサンタになればいいのよ」
「うん、ありがとうおばあちゃん」