愛し-kanashi-

〜♪

泣きながら泣いてる俺を抱きしめながらその子はメロディーに歌詞をのせていた。
今この子が歌ってる名も無い歌が後に俺の最後のシングルになるなんて、そのときは考えもしなかった。

「あっ、泣き止んでくれた」

ふと、その子が言った。
いつの間にか涙は止まっていた。

そして俺とその子は一緒に空を見あげた。
何を話すでもなくただ一緒に空を見ていた。

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