愛し-kanashi-


「ねぇ、新しい歌を作ったの。聴いて?」


遥香は俺をベッドに座らせると、新しい歌を……いや、新しい売り物を俺に披露した。

ミルクティー色の長い髪が窓から吹く風に揺れて、遥香の歌うとき独特の勝負顔がチラッと見えた。茶色の瞳は俺だけを見ている。俺の全てを疑ってない、全てを信じていると主張するかのように。


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