愛し-kanashi-
幸いにも遥香は足の骨を折る程度ですんだ。
理由は飛び降りた場所がマンションの二階だった事と下に木がありクッションになった事。
俺は遥香が目覚めるまで自分を責め続けた。死ねと言わなければ良かったと。
目覚めた遥香に言う言葉はこの時から決まっていた。
「 遥香、やり直そう? 」
遥香は泣いているのか笑っているのか分からない顔をしていたのを今も覚えている。けれど、浮気女が遥香の本性ではなかったんだ。