愛し-kanashi-
空に星が零れる前に
そして遥香との関係がスキャンダルになって、目の前は真っ暗だった。俺は一晩中ベッドの上で考えていた。
やっぱり答えなんて出なくていつの間にか眠ってしまっていた。
目が覚めると夜は明けていて、青空が広がっていた。俺はまた屋上へと足を進めた。
ドアを開けてコンクリートの上に寝て煙草をくわえ、火をつけた。
ふーっと煙を吐いてぼーっとしていると声が聞こえた。
「 病院は禁煙ですよ、五十嵐さん。」
上を見ると昨日の女の子が立っていた。
「 ……色気無いパンツだな。」
女の子は顔を真っ赤にしてワンピースの裾を抑えて「 へんたい!!」と叫んだ。
「 色気無い反応。」
「 うるさいです!パンツ見るほうが悪いんですよ!」
そう言って女の子、いや、彩華は俺の頭を軽くたたいた。
「 いってー、俺に暴力とかさいてー。」
「 どっちが最低ですか!」
俺は思わず笑ってしまった。目の前にいる女があまりにも可愛くて、もっといろんな反応を見てみたいと思ったんだ。