愛し-kanashi-


それから俺は自分のマンションへと帰った。

くだらない日々の中で自分の家だけが安らぎをくれた。

教えてほしい事があるんだ。


『俺は何処へ行けばいい。何処を目指せばいい。』


誰も答えてはくれない。

ベランダに出て煙草を吸う。夜風がとても気持ちいい。

ふと、空を見上げると月が輝いていた。

このネオンが輝く世界。空なんてモノを誰も見上げないだろう。街の方が綺麗と言って空を見ないのだろう。

誰かに俺は教えてほしい。この日常の中で俺は何処を目指せばいいのかを。
< 6 / 35 >

この作品をシェア

pagetop