愛し-kanashi-
それから俺は自分のマンションへと帰った。
くだらない日々の中で自分の家だけが安らぎをくれた。
教えてほしい事があるんだ。
『俺は何処へ行けばいい。何処を目指せばいい。』
誰も答えてはくれない。
ベランダに出て煙草を吸う。夜風がとても気持ちいい。
ふと、空を見上げると月が輝いていた。
このネオンが輝く世界。空なんてモノを誰も見上げないだろう。街の方が綺麗と言って空を見ないのだろう。
誰かに俺は教えてほしい。この日常の中で俺は何処を目指せばいいのかを。