愛し-kanashi-
いつも空を見ると思い出すのはお前の事ばかり。
もう居ないお前をこの街の中に探してしまう。
なあ、彩華。お前は今も俺を忘れないで居てくれているのか?
煙草の煙が空へと消えていく。
それと一緒に俺の目も空へと向く。
このくだらない日常の中に埋もれていた本当の俺を見つけてくれたのは綾香だった。
これから少しだけ俺と彩華の話を聞いてくれるか?
道化師と呼ばれている俺が道化師を着飾らなくてもいい存在。それが彩華だった。
アイツと出会ったのは俺が骨折で入院した時だった……。