lie
今となってはあの場所なしでは生きていけない。



醜い自分より醜い争いをする女達を見て嘲笑わないと自分を保てなくなっている。



そんな自分が恐くて仕方ない。




「俺ねみぃわ。寝るぞ」



そう言って勝手にベッドの中に入ってくるトシさんはベッドに座っていた私を倒しながら潜り込んだ。



迷惑な話いつもこんな感じだ。



「勝手ですね。ていうか、明日来てくださいね。楽しみにしとくから」


「…ちゃっかり営業してんじゃねーよ。………まぁ行ってやるけ、ど…な…」



最後の『な』は聞こえるか聞こえないかの微妙な声だった。



寝たな。



抱き枕状態から抜けだそうとするが、力が入っていて抜けれない。



仕方ないから一緒に寝てやることにした。



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