lie
頼んでは見たけど、来るとは言ってたけど、来ないかもしれない。


だってあの人は嘘付くから。それに守れない約束も平気でするし…。


「え〜。来ないの〜?」

心底困った顔をする、のの。


「どうせ目当てはガンちゃんでしょう?自分で連絡して呼びなよ」


ガンちゃんというのは、トシさんの部下の人。


「だってガンちゃん。トシさんとじゃないと来ないとか言うしさ〜。」


「そこを連れてこさせるのがののの仕事よ。がんばりなよ」


こうやって他人に頼ってでしかお客を掴めない子はすぐ終わる。私はそう言う子を可愛がりたくなんてないの。もっと腕がいい子の面倒を見たいんだから。


「…うん」


しょげたのの。何だか可哀想になってくるのは、まだ私の中にナッがいるからだ。いけない。私は今雪になりきらないと…。


「うん。いいこ。そんなに今日お客様来られないの?」


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