Twins ─俺の姉─
「ああっ!!そうだった、早く行かなきゃ。」
「俺も行くよ。一緒に帰る。今日部活休みなんだろ?」
今日は期末前日で部活停止だ。流石にテスト勉強しなければ点は取れない。
まあ、俺は部活していたとしても勉強する気はサラサラ無いが。
「うん、まあそうだけど。じゃあ…教官室の前で待ってて。」
「了解。」
咲綺が教官室から出て来ると、後ろに着いて歩き始める。
「何話したんだ?」
咲綺は4枚の紙をずいっと俺に見せつけた。
「やっぱりクラスマッチだったよ。競技ごとの参加メンバーを提出するようにって。」
「じゃあメンバー確認しなきゃな。一応決まってるんだろ。」
「うん。明日の放課後に時間もらって確認する。」
教室に入ると誰も居なかった(なんて優等生が揃ったクラスだ)が、無言で帰る支度を済ませた。
校門を出るまで誰にもすれ違わなかったのは思わぬ幸運だ。
俺も思春期真っ盛りの17歳。流石に、異性ではあるが血の繋がった姉と仲良く帰りましょうというところを知り合いに見られるのは…ハズい。
しかし、そんな幸運は続くはずもなく。