我が家の妖怪様
その夜、風呂から上がり泰葉に借りた箱を手に取った。泰葉はいつの間にか何処かへ出掛けたのか、部屋にも俺の中にも泰葉の気配はなかった。
「…よし、やるぞ」
力を箱に集中させる。
箱はうんともすんとも言わず、俺の掌に乗っかっている。もう一度と力を集中し始めた俺の耳に微かな笑い声が聞こえ俺は目を開けた。
笑い声は外から聞こえて来ていた。窓を開け、辺りを見渡すも誰もいる気配はない。首を傾げ窓を閉めようとすれば、俺の後ろから、何やらただ者ではない強い気配を感じた。
まずいと振り向けば、そこには赤い髪をした男が肩を揺らし笑い立ち、俺を見ていた。
「何処から入った?」
俺は聞きながらも、ゆっくりと腕を竹刀に延ばす。風は自由に起こせないが、小学校から始めた剣道の腕は中々のものだ。
こんなチャラチャラしたやつなんか、数秒で倒すことくらい簡単だ。赤い髪に耳にはピアス、どう見てもチャラチャラしただけのやつだ。
「何処からって…そこから」
男は口角を上げ笑うと窓を指差した。
「窓から?」
「窓からだよ。普通に入ったんだけどな」
窓から普通に入っただと!?
コイツ、頭おかしいんじゃないか!? 普通他所様の家や部屋に、窓から勝手に入るか!?
―…窓から普通に…ここは2階だぞ?
窓から普通に入ったって、どうやって入ったんだコイツ!?
「…よし、やるぞ」
力を箱に集中させる。
箱はうんともすんとも言わず、俺の掌に乗っかっている。もう一度と力を集中し始めた俺の耳に微かな笑い声が聞こえ俺は目を開けた。
笑い声は外から聞こえて来ていた。窓を開け、辺りを見渡すも誰もいる気配はない。首を傾げ窓を閉めようとすれば、俺の後ろから、何やらただ者ではない強い気配を感じた。
まずいと振り向けば、そこには赤い髪をした男が肩を揺らし笑い立ち、俺を見ていた。
「何処から入った?」
俺は聞きながらも、ゆっくりと腕を竹刀に延ばす。風は自由に起こせないが、小学校から始めた剣道の腕は中々のものだ。
こんなチャラチャラしたやつなんか、数秒で倒すことくらい簡単だ。赤い髪に耳にはピアス、どう見てもチャラチャラしただけのやつだ。
「何処からって…そこから」
男は口角を上げ笑うと窓を指差した。
「窓から?」
「窓からだよ。普通に入ったんだけどな」
窓から普通に入っただと!?
コイツ、頭おかしいんじゃないか!? 普通他所様の家や部屋に、窓から勝手に入るか!?
―…窓から普通に…ここは2階だぞ?
窓から普通に入ったって、どうやって入ったんだコイツ!?