振り向け!初恋
「おつかれ、良平!わざわざ迎えに来たのか?」
佐々木先輩はまた優しく微笑んで社長にそう言った。
「違うわ!!間違いは直ぐに正したくなる方で……サワ!!」
「え!!??私?」
社長は私の腕を掴むと目の前にスーツの上着を突き出した。
「きゃっ!!」
「きゃっじゃねぇよ!上着着せに来いよ!」
「はぁぁ?自分でやりなさいよ!!何でも私に頼まないで!」
「お前を俺の秘書にしてやるって言ってんだろ!?」
「こんな事しなきゃなんないならコピーやお茶くみの方が全然楽しいわよ!!」
「無理!佐々木!明日からサワは俺が預かるぞ!」
先輩!!!!
………グイッ!!!
「サワは俺の所で必要なやつなんだから、他を当たれょ。」
腕を引かれて気付けば佐々木先輩の胸の中にすっぽりはまっていた。
先輩の胸があったかくて、おかしくなりそう………―
それからどうやって店に着いたのか、緊張で全く覚えていなかった。