振り向け!初恋
「失礼します。」
お茶を出すのはいつも緊張する。
大事な会議の邪魔にならないように………
サッと配って、サッと退散しなくちゃ!!
「ねぇ。お姉さん」
「はぃ??」
小さな声でつぶやく彼を見て、ドキドキした。
座って私を見つめた瞳は微笑んでいて、優しくて……♪
「オレ、コーヒーがいいんだけど。」
………………は?………
「早くしてよ。聞こえない??」
………………………。
「わかりました。」
私は黙って会議室を出た。
給湯室に入ると何だかイライラしてきた。
「喫茶店じゃねぇっつーの!!」
私だって気持ちを込めて入れたのに飲んでもくれないなんて。
「砂糖入れちゃえ!!」
こんちくしょ!!!!!
「オレはブラック!ふざけてんの?本気?」
驚いて振り向くとさっきの若い男の子が給湯室の小さな鏡で髪型を気にしていた。
「あ、アナタ誰ですか??」
私は砂糖を流しに捨てながら聞いた。
「サワ!今日からオレの秘書になんない??」
神楽サワ。
意味の解らない話に思わず絶句しました。