振り向け!初恋

ドアを閉める手首に力が入ってバタンと大きな音がなった。


「何なの。バカにされてる!」


-♪―♪♪――♪


ん?

ポケットの中で鳴ったケイタイに目をやる。


「…?知らない番号だなぁ。」


1度はそのまま切ったが、二度目の着信にはしかたなく出た。

「もしもし?」


「切るなよ!ムカつくなぁ俺の番号、ちゃんと登録しとけ!それと、さっきのコーヒー結局入れてこなかったな。」


「あ!今から入れます?」


「いらない。」


「じゃあ、言うなよ…」


「は?」


可笑しいなぁ。私がボソボソ呟いた言葉に反応した社長がやけに可愛く思えた。


「私、仕事戻るんで切りますよ??」


「あぁ。サワ、今夜空けとけ」


「??何で?」


「何でも!じゃぁな!」


何だか気持ちがはしゃいでいた。

ドキドキしていた。

この時……はね。
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