振り向け!初恋
あと、1枚だぁ……―

そして、定時まであと10分。

家に帰ったら何をするとか、
今日の夕飯は何にしようとか、

この時間は何だか好きだった。

「サワ、何か楽しい事でも考えてるのか??」


「佐々木先輩!!すみません!もぅ終わりますから!」


おぉ!!!

佐々木先輩の手が私の肩に!!

その部分が何だか熱くて私は顔から火が出るんじゃないかと思うくらい興奮していた。

「この後、予定あんのか?」


「え!?」


「なんかさっ、呑みに行きたい気分なんだけど付き合ってくんない??」


「はい!!先輩からの誘いを断る理由なんてある訳ないじゃ…」


!!!!


私は急に背中から抱き締められて言葉を無くした。


「バカ女!!俺との約束が先だろ?」


はぁァァァァアアア!?


「おっ?良平じゃん。」


「悪いな、佐々木。今夜は俺と約束してんだ。」


「………―そっか。」


放してょ!!!!
佐々木さんの前で嫌だ!!!

グイグイ身体を横に振ってみるけど、背の高い男性にはさすがの私にも勝てない。


「佐々木、暇なら一緒に行かないか?」


……………………
…………えぇぇぇぇえ!?

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