風が吹いたとき

五月の風

何だかんだ考えてるうちに、五月になってしまった・・・。


遠足の時期・・・。


一は、むちゃくちゃ女子から人気で競争率が高かった。


みんな、話してることといえば一のこと。


「彼女いるのかなぁ?」

「どういうのが好みかな?!」


とかそればっかり・・・。

「遠足の班いっしょになりたぁい!!」


「え。ずるい!!うちといっしょだよ!!」とか。


でも、私も・・・。って言えなかった。


私は、雄也のことが好きってなってるから・・・。

決まった班は、私が班長で、雄也と一緒だった。


おまけに、女子全員、雄也のことが好きな子・・・。


ちょっとどないしよ!!!



先生「でゎ、班長、班員に挨拶を・・・。」


はぁ?!この状況で挨拶?!何考えとんのじゃぁ!!


ほかの班は、一と同じ班になれた女子たちが喜んでいる。

班長は、、一。

「他の班、挨拶してるよ。」

冷たく雄也に言われた。


顔が赤くなった・・・。


「2班の班長なりました。菅原です。頼りなく、自己中ですがよろしくお願いします・・・。」


パチパチパチ・・・。

ちょっとまぢどうしよう!!!!!


下校のとき・・・。


「智秋~。遠足のときに告っちゃいなって♪」


「ムリ・・・。」


おっと、言い忘れました。雄也とは、幼馴染です・・・。


だから普通に会話は出来るんだぁ・・・。


「いいぢゃん!普通に会話できるんだから・・・」


『そういう意味じゃなくて・・・』と心の中で叫んだ・・・。

そのとき、五月らしい生暖かい風が吹いた。


「危ない!!」

といわれて、振り返る・・・。

野球ボールが頭上に飛んできた。


「きゃ!!」

と目を伏せた。

しばらくして空けてみると目の前に


グローブをもった、背の高い白い帽子をかぶった一がいた。


「大丈夫?」

ボールは一がとってくれたみたい・・・。




「え、、あ、うん。大丈夫ありがとう。」


風は、私に何をさせたいんですか・・・?


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