Dark Angel〜堕ちた天使〜
「ねぇ、大翔だよね?」


「…………」


「ねぇ…?」


「…………」


「なんとか言ってよ…大翔っ!?」




あたしは差し出された傘に目もくれず、大翔の体に縋り付いた。


その衝撃で大翔の手から傘が舞った。


周りから見れば、フラれて惨めな女くらいにしか思われないだろう。



そんなことは今のあたしには全く関係なかった。



大翔が帰ってきた。


それだけで愛しさが湧き上がってきて、うまく言葉に出来ない。


言葉の代わりに、愛しいがたくさん詰まった涙が溢れた。


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