Dark Angel〜堕ちた天使〜
飛鳥と呼ばれたその男は、羽織っていたパーカーをあたしの肩に掛けた。



そして傘を拾い上げあたしの手に握らせた。



「…ごめん。またな」



その言葉を残して、待たせていた黒い車の助席に乗り込んだ。



「待って――!!」



精一杯の声も儚く、車は走り出して次第に見えなくなった。



あたしはその場に崩れ落ちて、泣きじゃくった。



――――行かないでよ。


もう二度と置いていかないで。


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