Dark Angel〜堕ちた天使〜
行きかう人たちが好奇心の目であたしを眺める。


当たり前か。


20歳の女がびしょ濡れで歩いてるんだから。



急に居た堪れない気分になって、胸元のカーディガンをギュッと握った。



雨の雫が髪の毛を伝って、顔に流れる。


ウザったくなって前髪を掻き上げた。


それでも流れ続ける雫たち。



あたしの記憶も何もかも全て、この雫と一緒に流れ出ちゃえばいいのに。


そんで晴れた日の日光を十分に浴びて、乾いてなくなってしまえばいいのに。


そんなことが出来たら、どれだけ楽だろう。








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