僕は君のもの
「もしもし。はぁ?まさかのドタキャン?柏木も来てるんだぜ。………………・・・わかった。あぁ、大丈夫だって。またな。」
佐野先輩はため息をつきながら、電話を切った。
「…どうかしたんですか?」
「あの二人来れなくなったみたいなんだよね。」
「本当ですか!?」
二人の間に少しの沈黙があった。
「よし、柏木が嫌じゃなかったら、俺らで行く?せっかく出てきたんだもんな。」
「先輩は嫌じゃないんですか?」
「全然。てか俺、もっと柏木と仲良くなりたいっていったじゃん。だからむしろラッキーかもな。」
そう笑っていう顔に嘘はなくて、私も嬉しくなった。
「じゃあ、行きます。ありがとうございます。」
「んじゃあ、どこ行く?なに食べたい?」
「えっと…先輩は?」
「俺は柏木が食べたいものだったら何でもいいよ。好き嫌いとかないし。」
「えっと…」
なかなか浮かばず、あたふたしてると
「じゃあオムライスとかどう?ちょうどこの近くに、おいしいとこあるんだよね。
あ、結局俺が決めてるね。」
「いいですよ!!オムライス食べたいです。」
「ぷっ。柏木、子供みたい。」
そういって先輩はふわっと笑った。