僕は君のもの
「隼人。ちょっといい?」
そう声をかけてきたのは、体育祭の時、告白してきた結衣だった。
「どうした?」
「…隼人…柏木さんのこと好きなの?」
「は?なにいってるんだよ」
突然の質問に驚いたが、冷静を装ってこたえた。
「だって……カップルコンテスト…あたしも一緒に出たかったのに、隼人断ったし。柏木さんと出るって聞いたから。」
「あぁ、なんか毎年、生徒会長が出るらしくて、みんなに言われて断れなかったんだよ。」
「でも…。柏木さんなんて佐野先輩の浮気相手のくせに。美人でスタイルいいからって、みんな遊んでるって……。」
「結衣、やめろ。」
それ以上、柏木の悪口を聞きたくなくて、さえぎった。そして自分でも驚くほど声が低くて怖かったらしく、結衣の体がビクッとした。
「なっ……かばうってことはやっぱり好きなんじゃん。」
「そんなんじゃないよ。あっ、ごめん。生徒会に遅れるから行くな。」
そう結衣に告げて、生徒会室に急いだ。
「…っ。絶対許さない。」
そう彼女がつぶやいていたとも知らず……。