僕は君のもの
文化祭について話し合いがあり、放課後、生徒会室に向かった。ちょっと早かったが、することもなかったし、資料でも配っとこうかな、と思った。
一人かと思っていたが、生徒会長の桐谷クンが私より早く来ていた。
正直、彼が苦手だ。
きっと彼も私に対して、同じ気持ちだろう。
翔のことを好きな人たちから、よく陰で言われていたらしいが、私は気にすることなかった。しかし、桐谷クンは直接、翔のことについて聞いてきた。だからだろうか。
「一緒に勉強しない?」
そう言われたときは、驚いた。まさか、苦手な相手を誘うとは思っていなかったから。
最初は断ろうか迷っていたが、少し緊張しているのか、焦っている桐谷クンを見たら、無性にかわいく見えた。
それにそんな桐谷クンを見たのは、はじめてだったからだ。