僕は君のもの
「やっ、ゴメンなんでもない。ただの独り言だから」
僕は何を口走ってるんだ。
「桐谷クンてお昼お弁当?」
「いや、学食だよ。たまにパンとかで適当にすますけど」
そう答えると、柏木は控えめに言った。
「あの…私、作ってこようか?」
「え!?いいの!?」
「うん。1つも2つも変わらないし。」
これは夢か?
「それにね…あの…今から言うこと怒らない?」
「聞かないとわかんないなぁ。」
「じゃぁ言わない。」
すごく気になる。
「うそうそ。言ってみ?」
「あのね、私、調理師目指してるんだ。それでね、家族じゃない人に食べてもらって、意見聞きたくて。練習台になってくれないかなぁって。」
「なんだ…そんなこと。いいに決まってるじゃん!!てか嬉しい」
「ほんと?よかったぁ。こんなこと誰にも頼めなくて」
そう言うと柏木はホッとした顔をした。
「でも大変じゃない?」
「ううん。とにかく私、料理大好きだから」
「じゃあよろしくな。」
「でもさ…彼女サンとかに怒られないかな?」
「彼女とか居ないから!」
「うそ〜!!」
「いたらこんな風に柏木と2人でなんて居ないよ」
「そうだよね。」
「楽しみにしとくな。」