僕は君のもの

「やっ、ゴメンなんでもない。ただの独り言だから」


僕は何を口走ってるんだ。


「桐谷クンてお昼お弁当?」

「いや、学食だよ。たまにパンとかで適当にすますけど」


そう答えると、柏木は控えめに言った。


「あの…私、作ってこようか?」


「え!?いいの!?」


「うん。1つも2つも変わらないし。」


これは夢か?


「それにね…あの…今から言うこと怒らない?」


「聞かないとわかんないなぁ。」


「じゃぁ言わない。」


すごく気になる。


「うそうそ。言ってみ?」


「あのね、私、調理師目指してるんだ。それでね、家族じゃない人に食べてもらって、意見聞きたくて。練習台になってくれないかなぁって。」



「なんだ…そんなこと。いいに決まってるじゃん!!てか嬉しい」


「ほんと?よかったぁ。こんなこと誰にも頼めなくて」


そう言うと柏木はホッとした顔をした。


「でも大変じゃない?」



「ううん。とにかく私、料理大好きだから」


「じゃあよろしくな。」



「でもさ…彼女サンとかに怒られないかな?」


「彼女とか居ないから!」


「うそ〜!!」


「いたらこんな風に柏木と2人でなんて居ないよ」



「そうだよね。」



「楽しみにしとくな。」

< 60 / 100 >

この作品をシェア

pagetop