僕は君のもの
まさかこんな展開になるなんて。僕は嬉しすぎて顔が緩みっぱなしだ。
「じゃあ柏木、嫌いな食べ物は?」
「…人参、大嫌いなの。」
「プッ、子供みたいだな」
「絶対言われると思った!」
まだ笑いが止まらない僕に、彼女は少し拗ねた。
「もう!!桐谷クンの意地悪。」
「ゴメンゴメン。なんか可愛くてさ。」
そういうと柏木はうつむいた。
ホントに怒ったのか!?
焦った僕は柏木の顔を覗き込んだ。
そしておそるおそる声をかけた。
「柏木…?」
柏木は顔が真っ赤だった。
「もう…桐谷クンからかわないでよ。」
その姿があまりにも可愛くて、思わず頭を撫でてしまった。
柏木は驚いた顔をして、僕を見つめた。
ハッとした僕は手をひっこめた。
ちょうどお昼休みの終わるチャイムがなった。
「じゃ、じゃあまた明日」
「う、うん、またね」
そう言って気まずいまま、僕たちは教室に戻った。