僕は君のもの
なんで今日に限って。先生に捕まってしまった。
優等生で通っているので断れない。急いで用事をすまして、柏木の待っている図書館へと急いだ。
ガラー…
「ゴメン柏木。あれ?」
もしかして…
「寝てるのか?」
柏木は腕を枕にして、机にうつ伏せになっていたのだ。
僕は起こさないようにゆっくり近づいて、顔が見える方の隣の席に座った。
じーっと見てると思った。ホントにキレイだよな。
長い睫毛に白い肌。ピンク色の唇。
しばらくながめていたら、クマができてるのに気づいた。
眠れてないのか?
佐野先輩のことを考えて…?
僕はまた無意識に頭を撫でていた。
起きない。
柔らかい頬をさわってみた。
それでも起きない。
さわっていたら止まらなくなって、唇をなぞってみた。
…キスしたい。
これだけさわっても起きないんだから大丈夫だよな…?
ただ触れるだけのキスをした。
途端に僕は自分がしてしまったことに、恥ずかしくなってしまった。
キスなら何人としたかわからない。別に何かを感じたこともない。
だけど柏木とのキスはなんていうか…ドキドキして、こんなものじゃ足りない気がしてくる。
もう一度触れようとしたとき、「んっ…」と唸り、柏木は目を覚ました。