僕は君のもの
「そういう柏木こそ、俺のイメージとは全然違うな。」
「うそ!!どこがどこが!?」
「ほら、今みたいな感じとか。生徒会では静かだし、クールな子だと思ってた。」
「それよく言われる。ただ単に私、かなりの人見知りなだけなの。ホントはみんなと騒いだりするの好きなんだよ。」
そういうと柏木はシュンとした。
そんな柏木の頭をポンポンと撫でながら言った
「でも俺も、柏木の違う一面が見れて嬉しいよ。俺の前では、そのままでいいからな。」
その言葉に安心したのか、ホッとしたような表情をみせ、元気に言った。
「うん!!ありがと。」
俺はすごく幸せで満たされていた。
浮かれすぎて、気がつけなかった。
柏木の抱える苦しみに。
そして俺のせいで、また柏木を傷つけてしまうなんて、今の俺には想像もできなかったんだ。
ちゃんと柏木を見ていたら、こんなもどかしい後悔をせずにすんだかもしれない。