僕は君のもの

初めての告白なのに、思っていたより落ちついていた。柏木の目をちゃんと見て、好きという言葉を口にすることができた。


柏木はよほど驚いているのか、声を出せずにいる。


「ごめん、こんなタイミングで言うのは、ずるいと思う。でもさ、少しの間で柏木のこと知ることができて、素直さとか真っ直ぐさとかに惹かれたんだ。」


「・・ありがとう。でも私、翔のことしか考えられない。ごめん。」


うつむいた柏木の頭を撫でながら、言った。


「わかってるよ。そんな柏木だから好きになったんだ。」


さらにうつむいた柏木に不安を覚え、焦った俺は、柏木の顔をこっちに向かせようとした。


「ちょっ、桐谷クン!」


柏木の顔は真っ赤だった。


「ははは。照れてる。ほんと可愛いな。」


「もう、恥ずかしいからやめて。」


そういったが、本当に可愛くて可愛くてしかたなかった。そんな柏木を思わず抱きしめてしまった。


「桐谷クン!?」


「そんなに可愛い顔してる柏木が悪い。」


最初はもがいていた柏木だったが、俺が離さないと感じたのか、離れようとジタバタするのをやめて、体を預けてきた。




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