僕は君のもの
「ごめんね。こんな風に甘えるのは良くないってわかってるのに。」
「謝らなくていいから。それに俺はラッキーだけど?」
そう言って、さらにギューっと強く抱きしめた。
「桐谷クン。く、苦しい。」
それでも離さなかった。
「俺さ、恥ずかしいけど、人を好きになったの、初めてなんだ。」
「うそ!」
「本当だよ。それなりに遊んできた。最低なことをしたかもしれない。でも、柏木に会って、一人の人と向き合うってすごい大切なんだって気づいた。」
「私、桐谷クンが思ってるほど、いい人なんかじゃないよ。」
「周りから見たら、よく思われないかもしれない。でも柏木の一途なとこは、悪いことなんかじゃないよ。不器用なだけかもな。」
「・・・ありがとね。」
「よし、文化祭まであと3日だし、コンテスト優勝しようぜ。」
「うん。こんな顔じゃ授業出れないし、今日は部活も休んで帰ろうかな。」
「そうしろよ。俺は授業戻るから。」
「ごめんね。サボらせちゃって。」
「いいよ。だって俺、頭いいし、優等生だし。」
「そうだったね。あ、明日はお弁当ちゃんと作ってくるから。」
「おう、ありがとう。じゃあな。」