摩訶不思議料理
彼は真っ青な顔をしながら、
『実は、アジアのエスニック料理の勉強の為に各国で修行していたんだが、どうも飛行機に弱くて、毎回大変なんだ。
何時もは薬を持っているんだが、今回はタイに置き忘れてきちゃって、どうもありがとう御座いました。
助かりました。』
と恐縮そうに苦笑いをしてからお辞儀をした。
それを見た彼女は、随分昔に私の為にアジアの料理を作ってくれたドラゴンさんの事を思い出し、その人と彼が一瞬ダブって見えた。