摩訶不思議料理





それは判らなくて当然である。



笑ってその場を別れた。



それから数日が経ち、フライトがオフの日に彼のお店を訪ねることにした。



場所は、三宮の駅から南に向って最初の信号のある交差点の角から3軒目と聞いていたので直ぐに判った。



そこは、まさに日本の中のアジアであった。



道沿いから少し引っ込んだ場所に店舗を構え、店の前には幾つものテーブルと椅子がある。



冬でも風が吹き込まないように各テーブルごとに衝立が上手に並んである。



その上には雨の日でも大丈夫のように巨大な張り出しテントが施してあり、晴れた日にはそれがチェーンブロック式に巻き上げて、取り込めるように成っているのである。



その奥にあるお店は、オープンカウンターに成っていて、厨房と言うよりは、カウンター式の屋台のようであった。



要するに、料理を作りながら、お客さんの顔も見れて、会話を楽しみながら食事も出来るし、恋人同士や友人同士で外のテーブルで楽しく会話をしながら食事も出来る造りであった。




< 17 / 24 >

この作品をシェア

pagetop