伝えたくて…
(和 目線)

拓真…

元気かな。


しばらく…会ってないや。
一番最近、会った時に、
「俺は今、誰かのために精一杯やってる」
って
言ってた。



女の子が居るのかな…
一瞬、そう思った。

でも、それは違ってた。

塾で知り合った
一組のカップルの
キューピッドに
なりたいんだって。


拓真…
変わったね。

自己チューで
ワガママな男だったのに

私だけを
好きでいてくれたのに


変わった。



「やーわーらーそんなんやったら、男にモテへんで」

「べっ…別にモテんで良いしっ」

「あっそー。そーですか。」
「そうだよ。拓真にだけモテれば、それで良いもん」

ワガママを言った私に
君がこう言ったよね。

「いつまでも、そんな事言ってんなよ。俺なんか、全然やし。」


ううん。
全然じゃないよ。

すごく…
好きだったよ。

一度で良いから
「俺もお前が好きだ」

そう
言って欲しかったよ。
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