S男*鈍感女
泣きそうになる。


「あたしは全部知ってるよ。」


「っえ?」


「大地の誕生日だって、初恋の人だって、成績だって、家族のことだって。」


「そっか・・・。」


「それにね、大地の弱いとことか。好きなタイプ、嫌いなタイプ、好きな食べ物とか嫌いな食べ物とか。」


「なんで?」


「なんでかって?あたしたちはずっと一緒にいたからよ。」


「・・・。」


「だから、だから別れなさいよ。」

なんで?


「あなたは場違いなのよ。あたし達の邪魔しないで。」


邪魔?


邪魔だったんだあたし。


そっか。


「分かった。寮が一緒なのは変えられないから、なるべく顔も合わせないようにするから。安心して。」

ごめんね大地、茜ちゃん。


たった一日だったど、邪魔だったんだ。


場違いだったんだね。




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